ここ数年で発生件数がえらい伸びたなあ、と思うのが自動車のバッテリーあがりである。
なんというか、2000年初頭から2010年くらいまではバッテリー上がり=ライト消し忘れくらいしか聞かなかったけど、
ここ最近はセルの回りも全然普通だったのに、次の朝突然・・・
とか、
いつも通りに走ってたのに出先で突然・・・とか、そういう「バッテリーの突然死」が増えてきているように思える。
わりと大変なんですよね。車検とか点検の時にテスターにかけてバッテリー液の比重まで測って良好って判断したのに翌月にバッテリーあがり起こして「ちゃんと点検してんのか!」ってオーナーともめちゃったり。
うんまあわかる。当然そう思いますよね・・・
しかし、なんでバッテリーってこんなにあがるようになっちゃったの?っていう疑問がうかぶ。
・・・が、
正直わかりません(笑)
いや笑いごとではないんですけどね・・・
過去複数台突然のバッテリー上がりを起こした車両を診断しましたが、手元に来た時には暗電流は正常、発電も正常、数日間様子見ても上がる気配はなし、
試しに新品バッテリーに交換したらその後再修理で帰ってくることはなかったり・・・
中身みてみればなにかわかるのでは!?と思って割ってみたけどなにもわかりませんでした。
しかしこれで分かったのは極板自体は格子になっててそこにペースト状のなんか(よくわかってない)が塗られてるんだなあ・・・これは走行振動で下に落ちて自然に劣化するわな・・・ということ。わりと納得。
結局なんやねん!というのが診断する側の立場からの正直なキモチ。
ただ、ここ数年バッテリーの突然死が散見するようになるタイミングで流行りだしたものが2つある。
アイドリングストップ(ISS)と充電制御だ。
主に燃費とか排ガス対策で新車に搭載されてるシステムで、これがあるとバッテリーも従来の40B19とか80D23とかっていう規格じゃなくてN-42とかQ-85っていう専用バッテリーになる(中の構造が違うらしい)
で、整備振興会とかにいわせるとつまりはだいたいこいつらのせいらしいっていう話である。
・充電制御でバッテリーの寿命限界まで電圧が下がらなくなる
・ISSの再始動が負荷になって寿命が短くなる
・バッテリーはバッテリーで従来の規格よりめっちゃ高価だから予防整備に進めるには気がひける・・・から交換がなかなか捗らない
うーん前半の話はメカニズムがわからないと納得できない(どこのメーカーもISSと充電制御の詳しい機構説明はしてない)けど、最後のはわかる。軽のバッテリーなんて昔は1万あれば大丈夫だったのにISS対応バッテリーは倍以上する。
とてもじゃないがさらっと3年毎に交換しようぜ!3万な!とかいえる整備工場があろうか、いやない。
いやでも問題おきる前にささっと変えた方が信頼失わないで済むよなあ・・・でもなあ・・・
っていうジレンマに日々苛まれています(笑)
つまりなにがいいたいのかというと・・・
・すべてのISS+充電制御付きの車両は少なからず突然死のリスクはあるよ
・同じ車のってるAさんは大丈夫だったのに・・・が通用しないジャンルだよ
・大丈夫かな?って思ってみてもらっても診断する手段が限られてて100%大丈夫と言い切れない部分があるよ
・ので、メカニックがポンコツとおもわないであげてください
・たまにマジなポンコツメカもいるのでそれは別です
・不安に感じたらバッテリーの保証期間毎に交換しましょう。高いけど。
・正直バッテリー割って中身とった写真がインパクトあったので使いたかっただけの記事だよ
これからの季節、特にご注意あそばせください。
今ではジャンプスタート機能つきモバイルバッテリーとかも手軽に買えるから用意しておくのもよいのかもですよ!