数年前に取り組んでいたバンプラバーをつかった車高調のバリアブルレート化について、本当は少し考えて組んだ方が良いのですが、「とりあえずバンプラバー増し構成やってみたいぜ!」という人の為になるべく簡単な手順でセッティングして、バリアブルレートが体感できるようにまとめてみました。
ショートストローク+ハイレートスプリングをお使いの方にはあまり用事がないかもしれません。ご注意ください。
使用する部品
使用するバンプラバーはD-MAXの汎用バンプラバーです。
[D-MAX] ウレタン製バンプラバー (リアサスペンション用)
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大体のリアショックには付けられると思います。
商品説明にある通り、だんだんとレートが上がっていく仕様なので、うまく組み込めれば今までと同じストロークでも受け止められる荷重を増やせられるようになります。
ストロークあるショックであればこのまま組み込めたりもしますが、しっかりと接地後にバリアブルレートを機能させたいので必要に応じて太い方からカットして使います。
事前にやること
車高調の採寸
簡易版と言っていますが、バンプラバー増し構成を成立させるにはある程度の準備が必要です。
まず、使っている車高調のストロークを把握しておくこと。
大変面倒かもしれませんが、仕様している車高調を一度取り外し、分解してショックのフルストロークを把握しなければなりません。
ストロークはバンプラバーを外した状態で測ります。
また、ショックの底付き位置とバンプラバー上辺の固定位置が違うものもありますのでその部分まで測っておく必要があります。大抵は底付き位置よりも上側にバンプラバーの上辺が当たります。
リバウンドストロークの測定(バネ上荷重の測定)
次にもう一つ重要な準備です。ジャッキアップ状態から接地までのストローク(リバウンドストローク)を把握しておくこと。
タイヤが着いた状態で測れればそれでいいですが、難しい場合はタイヤをはずして、ブレーキディスクのハットの部分にウマをかけて接地させると測りやすいと思います。
2つの準備ができれば、接地状態でショックがどれだけストロークしていて、残りのストロークがどのくらいあるのかわかるはずです。
バンプラバーの寸法を決める
あとは接地後の上図でいう②(バンプタッチまでのストローク)が決まれば残りを全部バンプラバーで埋めればいいので①はおのずと決まってきます。
問題は②のバンプタッチまでの寸法をどうするか。
ここの寸法でどのくらいでバンプタッチが始まり、可変レート領域に入っていくかが決まります。
シングルスプリングをプリロードゼロで組んである場合は、接地までのストロークの半分のストロークを確保しましょう。
ヘルパースプリングが入っていたり、プリロードがかかっている場合は車検証の後軸重を参考に接地荷重の半分でバンプタッチする寸法を計算します。
車種によって数値がちがうので一概に言えない部分もあり、すこし乱暴ですがシルビアクラスの車格の車種であればおおよそ以下の計算で算出します。
「(後軸重-100)÷4÷使用しているスプリングレート=バンプタッチまでのストローク」
例えば後軸重560kgで、スプリングレートが4kの場合は、
(560-100)÷4÷4=28.75mmです。
軸重の引き算を先にやっておくと電卓でも誤算が出ないと思います。
図の②がでたら、あとはフルストロークとバンプラバーの当たり位置の寸法から接地までのストロークとバンプタッチまでのストロークを引いた長さにバンプラバーをカットして組み込みます。
これでバンプラバーを使ったバリアブルレートセッティングの完成です。
乱暴なまとめ
- 車高調のストロークとバネ上重量はある程度把握する(これが無いと無理)
- とりあえずバネ上重量の半分くらいの荷重分はバンプタッチさせない(街乗り性能と初期のアシの沈みこみが確保できる)
- バンプラバーは太い方から切ってつかう(細い方が残るように組む)
おわりに
今回は過去記事の「低レートスプリングとバンプラバーでプライマリースプリングっぽいなにかを作る」シリーズのまとめ応用編として、使用しているレートに関係なくとにかくスポーツ走行中にバリアブルレートになるようなバンプラバーの組み方を紹介しました。
低レートスプリングとの組み合わせにより、ほとんどの車高調のツルシ状態よりもバンプ増しになりますが、ハイレートの場合だとそこまで変化がないかもしれません。
バンプラバーを使うので寿命が気になる方もいらっしゃると思いますが、月1回か2月に1回、ほぼほぼスポーツ走行用にしか動かさないような車であれば2,3年は持つと思います。街乗り併用だと未知数です。
また、今回のバンプタッチは接地後の荷重0.5Gでタッチするように設定してあります。
バンプラバーでバリアブルレート化させるにしろ、プライマリースプリングでバリアブルレート化させるにしろ、とりあえず0.5Gを変位ポイントに設定すればバリアブルにはなるというのが持論です。
トータルの荷重キャパの詰めや、タッチするタイミングを変えたい場合はバンプラバーの調整や、スプリングレート変更、プリロード調整などでトータルの荷重キャパと好みのタイミングでバンプタッチさせることができるので、さらにセッティングを詰めたい場合はチャレンジしてみてください。
耐荷重とはなんぞや?でおなやみの方はこちら↓
準備として行った車高調の採寸とリバウンドストローク採寸(バネ上重量の測定も兼ねる)なかなか面倒なのですが、一度やってしまえば後のリセッティング時に非常に有効で、特別部品を買うわけでもないので是非測ってみてください。