スペアとしても欲しいし、前々からやりたかった実験があったので中古のドライブシャフトを調達しました。
シャフトの分解は現役時代ぶりだったのですが、特に苦労なく分解できました。
年数と距離がいってる物なりに錆などはあったのですが、特にシバかれなかった個体のようで玉やアウターレースの当たり面に大きな段付きはありませんでした。
外したジョイントのインナーレースです。
86BRZのドライブシャフトがブローするときはこれが引きちぎれるらしく、強化ドライブシャフトといわれるものはジョイントを大きくしてこの部分の肉厚を多めにとって機械的強度を上げているそうです。
考えていたのがこのままなんとか引張強度をあげられないかな?というもので、ものは試しで会社にあるショットブラストをかけてみる事にしました。
狙いとしては応力の付与による表面硬度の向上と、玉のまわりの角当たりの低減です。
成功すればちょっといいドライブシャフトができるはず…でしたが、
1時間ほどショットをあてても大差ありませんでした。
当然焼入れが入っているのだろうとは思いましたが、かなりの硬さに仕上げられている様です。
ショット玉の大きさを変えてみたり、マシンを変えてみたりしましたがあまり変化はなく…
どうやらショットブラスト程度の投射速度だと応力の付与はできないようです。
似たような加工でWPC加工がありますが、WPCであれば投射速度が速いので応力の付与は可能そう…ではあります。
ただ、強化ドライブシャフトや現行用のシャフトなど他の選択肢がある中で、旧型の中古純正シャフトにその費用をかける価値があるのかは微妙なところです。
とりあえず今回は応力の付与は諦めて、グリスを替えて組み直すことにします。
グリスは内側と外側で別のグリスを用意しました。
よくある手法としては有名オイルメーカーの良さそうなグリスに詰め替えたり、輸入物のものすごく高いグリスに詰め替えたりするみたいなのですが、真似するだけじゃ芸がないし、そもそもそれらの選択肢がちょっと割高なのでもう少し安いところで良いものが組めないかな?といったところを探ることにしました。
内側はマフラーが近かったりして熱による負荷がかかるので耐熱200度のグリスを、外側は角度による負荷が高そうなので極圧性を意識してリチウム系のグリスをそれぞれ用意しました。
ちょう度は内側を2番、外側をなんとなくで3番にしました。
一本400g入りでトータル2000円程度の代物で、片側200gずつあれば足りる様なので片側分のコストは約1000円とかなり安上がりな仕様です。
グリスのリパックにどれだけの効果があるのかは個人的には眉唾ものだなぁと思っているのですが、とりあえずスペアの用意にはなったので今使っているシャフトが駄目になり次第使おうかと考えています。
とはいえ今使っている純正シャフトも自分の使い方では5年くらい使えてしまっているので、使うことになるのはまだ先の話になるかもしれません…