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整備士くずれの日々徒然

【アセットコルサ】suspensions.iniパラメータ解説【the ASSETTO CORSA MODDING MANUAL読解】


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ちまちま続けているアセットコルサの自家用車MOD作りですが、できるだけリアルな挙動を目指して参考資料を漁っていたところ、海外の方がまとめていたthe ASSETTO CORSA MODDING MANUAL 3.0なるものを見つけました。

日本語圏ではあまり知られていないような内容が記載されていて、足廻りのデータ構成の謎だったり、タイヤのステータスの意味も記載されていたので、一部抜粋したものを個人的な見解を含め意訳して載せておきたいと思います。

かなりの情報量になるので今回は足廻りのsuspicions.iniの解説からです。

本家様のマニュアルはこちらから手に入ります。本記事はかなり内容を端折っているので、詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。

assettocorsathemanual.blogspot.com

リンクがうまく働かない場合はthe ASSETTO CORSA MODDING MANUAL 3.0で検索をかけると出てくると思います。

※海外サイトです。資料は全て英語になります。

 

※本記事は執筆後、国内の有識者の方より指摘を受け、一部マニュアルの内容と異なる表記になっています。

 

 

suspensions.ini各パラメータ

諸元関係

物理エンジンがロードするサスペンションコードのバージョン。1〜4まで選べるらしい(2023/4現在)。古すぎるとprogressive rateなど一部パラメータは適用されなくなる。

 

[BASIC]


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WHEELBASE

車両のホイールベース。単位はメートル。

CG_LOCATION=ホイールベース上のCenter of Gravity(重心)位置。リアからの比率を入力する。中央なら0.50.になり、数値が大きくなるほど重心位置はフロント車軸に寄っていく。

この数値から燃料タンクの位置が加味されて最終的な重心位置がでる…らしい。

 

[ARB]

 

アンチロールバー(スタビライザー)の数値。単位はN/mで、ホイールレートに換算して前後それぞれに入力する。

 

ジオメトリ関連

 

TYPE

サスペンション形状。ストラット[STRUT]、ダブルウィッシュボーン[DWB]、マルチリンク[ML]と入力するとそれぞれの構造のサスペンションリンクが構築される。

リアにはアクスルサスペンション[AXLE]も選択でき、LINK_COUNT=○でリンクの数も変えられる。

 

BASEY

重心高補正。BASEY+フロントタイヤ半径が仮の重心高(正確な重心高は前後分を加味して計算される)となるため、想定される重心高さになるように数値を入力する。基本マイナス数値になる模様。

数値によって車高がかわるが、ここで車高調整をするとアームの角度が変わらないまま車高だけ変化するので注意。

 

RIM_OFFSET

リムのオフセットを調整できる。項目のないiniもある。

タイヤスクラブに影響を出す…らしい(未検証)

 

TRACK

トレッド幅の設定。ゼロキャンバー時の左右のタイヤ側接地面の中心から中心の数値。

単位はメートル。

 

rod length

スプリングのプリロード設定。ネジ式車高調のようなもので、数値(m)でリバウンドストロークや車高も変化する。

数値をさげるほど車高はさがり、マイナスになると引きバネ状態となる…らしい。

ここで変化した車高はアーム角度も変化するらしいが、CSPのショールーム上では変化が見られないため真偽は不明。

 

HUB_MASS

車輪1箇所分のバネ下重量。(kg)

ドライブシャフトとストラットも含む。

 

サスペンションリンク各座標


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サスペンションのタイプごとに各リンクのボディ側、タイヤ(ナックル)側の座標をx,y,z方式で入力して調整できる。

どこがどのリンクで、どのように動くかはsusEditorやCSPのショールームでサスペンションを表示させながらいじっては保存を繰り返すとわかりやすい。

なお表示状態は無負荷接地状態。

タイロッド部分に該当する箇所を調整すれば切れ角やアッカーマンの調整もできる。

 

STATIC_CAMBER

デフォルトのキャンバーを設定できる。別ファイルのsetup.iniの設定値以上にはならないのでそちらも含めて調整が必要。

 

TOE_OUT

デフォルトのトーの設定(m)

別ファイルのsetup.iniの設定値以上にはならないのでそちらも含めて調整が必要。

 

SPRING_RATE

ホイールレート換算でのスプリングレート(N/m)

単位に注意。

PROGRESSIVE_SPRING_RATE

バンプラバーの様なプログレッシブ特性のスプリングレートを設定できる。

おそらく1mm毎に設定レートが加算されていくものと思われるが、それが接地状態からなのか、0G状態からなのかは不明。

かなりクセがあるので扱いが難しい。

 

ダンパー設定項目


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ACではゼロ点という位置からダンパーを設計し、バンプ、リバウンドそれぞれの低速と高速の減衰力と減衰特性の変位点(ニー)を設定することができる。

適当に設定するとタイヤデータとの整合性がとれなくなり、おかしな挙動になったり、走行不能になったりするので、設定する場合は事前にダンパーに関しての知識と参考元となるダンパーの減衰データを用意しておくことを推奨する。

 

BUMP_STOP_RATE

バンプラバー(パッカー)のスプリングレートを設定できる。(N/m)

ストラットやアクスルタイプはこのバンプラバーよ他にデータ上で50000N/mのパッカーがついている事になっているらしい。

 

BUMPSTOP_UP

設計ゼロ点から上方向のダンパーストローク長(m)

バンプストローク上死点

 

BUMPSTOP_DN

設計ゼロ点から下方向のダンパーストローク長(m)

リバウンドストローク下死点

 

PACKER_RANGE

設計したダンパーストロークのうち、バンプタッチするまでのストローク(m)

 

先述のlod length含めたこれらのパラメータでバンプとリバウンドストローク、バンプタッチからバンプストップまでを設計するのだが、なかなかイメージしづらいので設計の際はAC suspension positionを使用すると設計しやすい。

www.desmos.com

DAMP_BUMP

バンプ側低速の減衰力設定。

ピッチやロールに関係するストロークスピード0.03〜0.06m/secのあたりの減衰力を該当速度で割った数値を入力する。(N/m/s)

 

 

DAMP_FAST_BUMP

バンプ側高速の減衰力設定。

縁石など段差に乗り上げた時のいなしに関係するストロークスピード0.1〜0.3あたりの減衰力を該当速度で割った数値を入力する(N/m/s)

 

DAMP_FAST_BUMPTHRESHOLD

減衰力グラフの減衰特性が変位する速度点(ニー)を設定する。

基本的に低速の減衰力が低めのときはニー位置は高速側に寄り、高めのときは低速側に寄る模様。

 

DAMP_REBOUND
DAMP_FAST_REBOUND
DAMP_FAST_REBOUNDTHRESHOLD

リバウンド側の減衰力設定。内容はバンプ側と同じ。

 

[GRAPHICS_OFFSETS]

タイヤや足廻り部品の見た目だけの位置を調整する。

 

※破損に関する項目は省略

 

おわりに

色々試した結果、ジオメトリやコイルオーバーの設定はセルフステアの強さなど、挙動に大きな影響を及ぼすので、実車に近い挙動を目指すならやはり実車のデータをある程度集めておかないと難しいかと思います。

このあたりゲームパッドだとパッドアシストのおかげてなんとなく走れてしまいますが、ハンコンを使い出すと如実に挙動にでてきます。

みなさんのMOD制作の一助になれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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