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整備士くずれの日々徒然

前提の話

間延びしちゃった間がありますが、なんで走る上でボディ補強っているの?いう部分をまったく話してなかったので書いてみました。わりと長いのでちょっと興味あって時間ある方どうぞ。

↓めんどい話はとばしたまとめは↓

 

 

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ちょっと別分野の話というか、サスペンション絡みの話になってきたりもしますが、ドライビングは荷重移動の連続で成り立っています。Gを回すとかそういう表現でいいかもしれません。

どこのダンパー(バネ)にどれだけ荷重を移して、タイヤをグリップさせて、または抜いて・・・その時の姿勢だったり云々・・・というのをドリフトではよく話す話題ですが(グリップは不明)、ストラットからストラットに力を伝えることで荷重移動が起きています。

図のA左右とB左右4か所に力が伝わって荷重移動が起きるイメージです。

荷重移動が起きてアシが動いてタイヤがグリップしてっていう工程ができてくるわけで、ボディは過重移動の最初兼、アシが仕事しだしてからは土台。

橋渡しと土台が動いてたらアシは仕事する時間減るし、仕事してからも不安定だからタイヤ潰せないし・・・であまり良い事ないというのは想像しやすいと思います。

図でいうと色が濃くなってるボディの部分が硬い素材でできていて、白っぽいとこは錆びにくいただの鉄板が使われてるんですが、車は大体この濃い部分と白い部分の境目でヨレがでやすい傾向にあると思っています。

フロントのストラットタワーなんかは真っ白。というより人が乗るエリアより外側は強い素材ってあまり使われてません。なぜか。衝突安全(パッシブセーフティ)の為、壊れてキャビンを守らないといけないエリアだからです。

ほとんどの自動車は宿命的にクラッシャブルエリアにストラットが収まるエリアが存在します。あえて弱く造らないと新車の検査で衝突安全性能が満たせないからです。

正直な所、剛性が足りてないはメーカーもわかっているけど、車を作るときのルールを守らないといけない。売った後の車検には衝突安全基準ってあまり関わってこない(外部突起は別)から純正アフターパーツとかでタワーバーやトラスバーが出ているのはそういう事情だと思います。

別件で、スポーツ走行する上で安全ボディのクラッシャブルエリアは残しとくと万一役に立つの?と気になりますが、速度に依存するのでケースバイケースだと思います。120km/h以上出るコースだったらもうあまり意味はなさそうです。

それ以上に影響が出ちゃうのが前述の力の伝達です。

大体サスペンションの話をする時は土台が剛体であることが前提で話されますが、ボディは完全な剛体ではありません。

図のAからBに荷重を移すまでにラグが出てしまったり、ボディのしなりにエネルギーをとられてうまく力が伝わらなかったりする。これがボディ剛性だと自分は思っています。

 

じゃあとにかくAとBを直結させりゃあ早いじゃんね!って話になりがちなんですが、実はそうでもないっていうのが図の★マークの部分です。

ボディは操作フィーリングをドライバーに伝える役目ももっていて、

★Cはフロントタイヤからの入力、ステアフィールとかを出す。

★Dは大体この辺りのラインにシートフレームの後ろのボルトがささっていたりするんですが、リヤタイヤからの入力、リヤ挙動を伝える役目を担っています。ドライバーのお尻や腰にインフォメーションを入れます。

この2つを無視すると車からのインフォメーションが無い(希薄)な車になって限界挙動が見えなくなっちゃうのでスポーツカーとしては無視できない(トラックなどのラダーフレームの車の場合、スリップの感覚がよくわからなかったりしますが、この辺りの影響が大きいと思います)→AからBに行く伝達経路を作るにも、力の伝達を一度落とす必要がでてきます。

 

 

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すると大体こういう見た事ある様な感じになります。手描きでごめんなさい。

 

かつ、ここにキャビン間の伝達速度アップを考えると

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こういう激しいのあるよねって感じになってきて

でもまだAとBつながってないよね?ってのを考えると

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よく見る奴だねって感じになります。前の記事に書いたFロアアームの件は今は無視して描いてます。

あとは左右B間つなげたりする必要もありますが、とりあえず今回はここまで。

ここまでくるとどこかの足からどこかの足にGを移した時の踏ん張りはじめのタイミングが変わってきます。舵を入れた時の荷重の移り方も変わります。

 

 

 

 

逆に硬め過ぎってどうなんだ?って話もききますが、

確かにボディのヨレで限界挙動をマイルドにするっていう考え方はあると思いますし(そういうクルマにも乗った)、ボディはどこまでいってもバネで、非常に硬いバネにしかならないわけですが、

限界挙動はサスペンション側でセッティングしてもらって、ボディは純正剛性の延長線上で補強していってなるべく動かないほうが良いというのが自分の考えです。

意図的に折れを作って結果面白いクルマになったものも見たことがあるので、それを探るのもボディの魅力なんじゃないかなと思います。

 

※変な言い方ですが、ボディはゲームでいうとこの大体10~20フレくらいレスポンスに差がでてる感じあるので、格ゲーやってる方なら違いが分かりやすいかも知れません。

足周りの人間的なセンサーも必要になってきますが・・・

 

さてちょっと何が言いたかったか分かりづらくなりましたが

かんたんまとめ
  • ボディはしなる。故に荷重移動にラグが出る。
  • ラグと同時にしなり分でエネルギーが減るからアシを動かすエネルギーが減る
  • アシが動かない間はタイヤグリップは発生しない
  • 操作もとい、グリップが出るまでのラグを減らすのがボディ補強
  • 安全ボディを「殺す」のがボディ補強だったりする
  • ほかにもいろいろやってるのがボディだから固くしすぎず、抜きどころを考えるのがボディの楽しみ(かもしれない)

 

補強パーツ選ぶときは自分がどこのどの部分をとめたいのか考えてみてもらったら余計なお金かけずにすみそうなのでぜひ考えてみてください。

※前後のボディ剛性が変わると前後のロール剛性がかわるのでサスペンションのリセッティングが必要になる場合があります。

 

車ってむずかしいですね・・・

 

 

 

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