可変ナックルの取り付けから1週間・・・
データを採りつつ、朝晩といろんな寸法を試した結果、ようやくタイロッドの穴位置が決まりました。
外向き内向きともに50度超のパラレル設定となりました。
これで54度程度です。逆関節にはまだかなり余裕があります。
限界ギリギリを攻めた場合、外向きは60度程度まで切ることが出来ます。
内向きはキャリパーボルトが当たるとこまで切れるようにしました。
内向きは正直もっと切れるようにして、逆アッカーマンにしたかったのですがナックルの設計と干渉の問題で、ここを基準に外向きの切れ角を制御する様なデザインになりました。
途中とれたデータで、純正ナックルの切れ角特性をグラフにしてみました。
ほぼ全域でアッカーマンの影響をうけていますが、舵角270度を超えたあたりからその影響が大きくなり、切れ角の左右差が大きくなります。
ノーマルのBRZが浅い角度で走る分には楽しいけど、フルカウンターを使ってギリギリの走りを狙ったとたん難しくなるのはこの辺りが原因かもしれませんね。
話が逸れますが、ポルシェやAMGといった欧州系のグリップ速いマシン達はパラレルステアリングジオメトリーを採用して高速コーナーでのフロントのグリップを出しているらしいので、グリップ勢の方もナックルの特性を変えると思わぬ結果が出るかもしれません。
僕がデザインしたナックルの特性はこんな感じになりました。
純正ナックルで切れ角の差が大きくなってくるエリアをカバーする様な感じで、ほぼパラレルな特性が実現できました。
・・・というより、逆アッカーマンを頑張って狙いましたがこの辺りが限界でした、というのが正しいです。
やはり逆アッカーマンを成立させようとすると、海外のアングルキットのような作りにして、ロアアームの支点よりも外側にタイロッドエンドの支点が作れるようにしなければならない様です。
パラレルや逆アッカーマンだと浅角も走りづらそうな印象ですが、トーアウトの僕のBRZに付けたら案外自然なフィーリングになるのでは?と思っています。
純正ナックルとの比較です。
ざっくりな寸法で、純正よりおよそ29mmショート化し、29mm外側にオフセットさせる結果になりました。
穴位置が冒頭の写真のマーク位置になるんですが、穴をあけるには全然肉が足りないので、穴あけの前に穴の1/3程度の範囲を肉盛りで補填しなければならなくなりました。
結局溶接の必要がでてきましたね・・・
切断溶接ではく肉盛りだし、穴の全部が盛る部分ではないので、溶接棒を用意してしっかり予熱と徐冷をすればそこまで強度の不安はでないかな?と思います。
予定外の加工が必要になったため、ここからちょっと制作スピードが遅くなりそうです。
年内か年明けには完成したいです。