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整備士くずれの日々徒然

【忖度なし】HKS,BLITZの車高調を乗り比べた所感【車高調比較】

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www.radblack.work

 ちょっと前の記事で、Twitterで調査したところ結構な比率でHKSの車高調を使っていたみたいなので、HKSの車高調(ダンパーのみ)を買ってみたって話をしたんですが、

今回は実際に車につけて街乗り、ドリフト両方走ってみてどうだったかの感想を書きます。

また、今まで使っていたBLITZ,ラルグスの車高調と違いはあるのか?どう違うのか?という部分にも触れたいと思います。

ただし、乗り心地や走りのフィーリングといったものはは自分の感覚によるものなので、間違いがあるかもしれません。あらかじめご了承ください。

なお、筆者の車高調使用歴はCST、DG-5(G-MASTERプレミアム)、ラルグス、BLITZ、レンタルでTRUST、STANCE、BILSといったところです。

 

使用した車高調と実験時の仕様

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使用したHKSのダンパーはハイパーマックスSPのもの。なお、バネありのツルシの状態だとBLITZラルグスとはレートが違うので、ショック自体の違いだけを確認するべく、スプリング、ストローク比率、バンプラバーの量など、合わせられるものは普段走っている時のセッティングにしました。

また、スプリングはサスペンションプラスのUC01を前後に9k、リアには密着荷重375kgのプライマリースプリングを追加で入れて使用します。

交換前の車高調はフロントがラルグスのRS、リアはBLITZのZZRです。

そして使用タイヤはフロントがアクセレラの215幅、リアがサニューの235幅とかなりローグリップな構成となっております。

 

 

走ってみた所感

 

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街乗り編

先に街乗り状態での、HKSとBLITZラルグスとの違いを書きます。

結論から言うと、HKSの方が街乗りのフィーリングは良かったです。

というのも、BLITZとは減衰力の出し方が違います。

HKSの方が比較的縮み側の減衰力は穏やかな印象でした。

BLITZやラルグスは減衰力の調整ダイヤルを締めていくと縮み側の減衰力も強くなり、段差での突き上げ感が出てきますが、HKSは縮み側はそこまで変化しません。

HKSは伸び側の減衰力だけ強くなっていって、乗り心地が悪化するのは道路の凹路の時にタイヤの追従が悪くなって、車体が落ちて乗り心地が悪くなるといった悪化の仕方になりました。

街乗り速度で伸びづらさが出ない範囲にダイヤルを調整すれば街乗り仕様は比較的簡単にセットが出しやすいダンパーだと思いました。

ちなみに僕は街乗りは結局メーカー推奨ダイヤル位置の15段で使用しています。

緩くしすぎるとどうしても伸縮の納まりがつかないで、逆に乗り心地が悪いという感覚がでたので、多少硬さを感じても納まりがそこそこ良い方を優先しました。

 

BLITZの場合だとレート変更(レートアップ)をすると特に顕著になるんですが、伸縮を抑えるために必要な減衰力を確保する→ダイヤルを締める→縮み方向まで強くなるので突き上げ感が余計でる→ダイヤルを緩める→伸縮が納まらない領域がでてくる・・・というループになりがちだったので街乗り領域はHKSに軍配が上がっていると思います。

BLITZのダンパーだと減衰してくれない周波数の振動もしっかり拾って減衰している感覚があったのもHKSの良いところだと思います。

定速走行で後頭部があんまりゆさゆさしない感じです。ラルグスBLITZではどう弄っても一生消えません。

この振動が気になる人は安い価格帯の車高調は買わない方が良いです。

 

 

 

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ドリフト編

続いてスポーツ走行(ドリフト)の場合です。

正直これに関してはどっちもどっちだと感じました。

今回走行会直前にHKSの車高調に換装して、ぶっつけ本番で走ってきたんですが、リアの脚が動きすぎてパワーが食われて、ドリフトするのもしんどい状態になってしまいました。

これはBLITZを使っていた時には起きなかった現象で、同じストローク設定のはずなのにHKSの方がストローク感が強い印象でした。

最初減衰力を街乗り用の15段で走っていたせいというのもあるんですが、減衰ダイヤルを締めてもアクセルを入れた時にストロークにパワーを食われる感覚が残った状態になっていました。

おかげで走行会では空転維持できない、前に出るのが遅いと散々な結果になってしまいました・・・

また、今まで感じなかったんですが、ツインスプリングにしているせいもあってかレートが足りていない印象を受けました。

BLITZの場合だとスポーツ走行用に減衰ダイヤルを締めれば縮み側の減衰も上がってストロークしづらくなるので応急的にレートアップの様な使い方ができるんですが、HKSのはダイヤルを締めても縮み側がさほど変化しないので、スプリングチョイスの影響をモロに受ける仕様だと感じました。

ただしBLITZは減衰を締めると乗り心地の悪化もとい段差で挙動が乱れる傾向が強くなるので、グリップ走行を含めたスポーツ用の脚としてみれば縮みが穏やかでギャップをいなしてくれるHKSの方がトータルで優秀なのかなと思います。応用が効かないショックですけど。

BLITZはレートがもともと低いのでバンプラバーもプリロードも管理しないといけない部分があって、そのあたりの調整が分からない人がポン付けで走れる方はどっちかといわれるとやっぱりHKSかなあ・・・という所です。

しかしBLITZはBLITZで使い方を把握していて、足りないレートを減衰ダイヤルで補填してスポーツ走行をするという使い方ができればそんなに悪くもない脚だと思います。安いし。

HKSはピロアッパーのピロやダストブーツが値段の割に寿命が短くてランニングコストがかかる部分がマイナスかなと言っておきます。15万の車高調のピロが10万以下の車高調のピロに寿命で負けるってどうなのよ・・・

・・・と、サーキット行く人がHKSを選ぶならGTではなくSP一択かなと思います。GTもこういう減衰特性で6k4k用に合わせてあるとすると全然足りない・・・

というより今回のローグリップ構成でも足りてないので265幅のハイグリップタイヤを使う人はBLITZもHKSも絶対足りませんね。既にそのレベルの人がこの帯域の車高調を使っているとは思えませんが…

 

 

 

まとめ

ネットでの販売価格にしておよそ6万円ほどの価格差があるHKSとBLITZの車高調ですが、価格差は減衰力を出せる周波数範囲の差の分かなあと思います。

HKSの方が減衰力を発生させられる領域が広いのかなと感じました。

自分の組みのせいもあって若干ふわっとしたりもするんですが、走っている時もHKSは乗り心地悪くないんですよ。

BLITZより段差でヒヤッとするのが少ない感じです。

ただ、レートが足りないとか、もっと低速域からぐわっと減衰力だしてもうすこし早めにタイヤ潰したいとかっていうシチュエーションで減衰力側での応用は効かないショックだと思います。

どっちの車高調も使った身としては、明確にこっちの方がいいと言えれば本当は良かったんですが、正直なところどっちもどっちです。

HKSの方はスプリングレスの物を調達したせいでツルシの状態をつかえてないので、もしかすると中途半端に合成レート領域が存在してしまう今回のセットよりは、ツルシの方が具合が良いかもしれません・・・が、それでも6万の差です。

すぐピロの緩くなるちょっと街乗りが快適だけど減衰でレートのごまかしがきかない脚を15万だして買うか、

色々妥協してプリロードとバンプラバーを吟味して、レートのせいで若干レスポンスが悪いのも理解して、走るときは減衰ばっちり締めて使う脚を8万で買って済ませるか、

どっちのチョイスもありだと思います。

逆に言えばどっちも無しです。車高を合わせる必要がなければ純正にピロアッパー付けたやつでもいいかも・・・

 

と、いうわけでシェア率NO.1?の車高調のインプレはこんな感じになりました。

個人的な意見としてはこれから車高調を買う人にはもうちょっと頑張って、もうワンランク上の車高調を買ってオーバーホールしながら都度仕様変更の相談もして、ひとつの車高調と長く付き合いながら走っていくことをお勧めしたいです。

 

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