以前加工方法をどうしようか悩んでいると言っていたステアリングラックですが、我慢できず手削りで作っちゃいました。
先に動画もあげたんですが、後編をあげるのは先になりそうなので、とりあえず加工してみた所感を書きたいと思います。
まずは悩んでいた加工方法ですが、結局グラインダーで手削りになりました。
他にあがっていた候補は電極加工、インボリュートフライスによる歯切り加工、専門業者に外注の3つでした。
真っ先にボツになったのは外注で、もともとある歯を左右1山ずつ増やす単品加工を受けてくれる業者を見つけられませんでした。
もともとこの案はやる気がなかったので本気になって探してもいなかったんですが、結局コストの面で個人が趣味でやる金額におさまりそうにない予感がしてたので早々に諦めました。
続いて電極加工とインボリュートフライスによる自力加工ですが、この2つを行うには前提としてラックのモジュールを把握していないと加工ができません。
ギアの規格を測るギアツースゲージなるものがあるらしいのですが、単品で1万近く。
そこからインボリュートフライスを買うとなるとカッター分とそれをつける軸部分の作成にコストがかかります。
電極加工は電極を良い感じに作る方法が思い浮かびませんでした。
そんなこんなで頓挫しかけたラック加工ですが、シルビア系でやっている人はなんとグラインダーの手削りでイケちゃってるらしいので、自分のならまあいいかということで手削りで作ってみることにした次第です。
結果は・・・
まあ割と機能はしました(笑)
・・・が、問題はここからで、結論から言うとラック加工をしても簡単に切れ角は増やせませんでした。
ラックの歯が1山増えるとタイロッドの延長は10mmまで対応できるようになり、ハンドルの舵角もMAXでこのあたりまで増えます。
・・・が、接地させて回してみると
このあたりでハンドルは止まります。
この位置はタイロッドで5mm延長した時と同じ程度の舵角です。
5mm増やしたはずの舵角が活きていません。
・・・で、原因はというと
ピロアッパーです。
正確にはピロアッパーのピロです。
ピロの振り角が限界を迎えて止まり、ハンドルが切れなくなってしまっている様です。
この状態でも負荷がかかるとMAXの切れ角が出ちゃったりもするんですが、当然ピロに負担がかかるので最悪ショックロッドが折れます。
以上の事から、現在出回っている市販のショートナックルとステアリングラックの延長限界である約5mm延長の組み合わせは、86BRZで出せる切れ角としてはかなりギリギリの良いところを狙っていたということが分かりました。
86BRZの切れ角パーツを開発された方は相当研究されたんでしょうね。
競技系ドリフト車両の御用達アイテムになっているWISEFABのアッパーを見てみるとわかるんですが、市販の物以上の切れ角を求める様になるとアッパーにも細工が必要になるみたいです。
逆関節対策にラックの前出しメンバーも必要ですね。ここは15mm前出しできているのでクリアーしていると思いますが・・・
さすがにアッパーを0から作るのは難しいので、次は今あるアッパーの調整幅を拡げて角度限界を探ります。
ここまでくるとあとはナックルさえ作れれば和製手作りロックキットが出来上がりそうですね(笑)
また進展ありましたら報告します。