知り合いから10年程前に廉価車高調として流行ったもののカートリッジを提供いただいたので、当時出回っていたものがどんな物か確認してみることにしました。
分解の前に減衰ダイヤルの最弱と最強の状態を手で押して見たのですが、最弱でも動き出しが硬く、縮みも渋くて伸びがすごい早いダンパーでした。
最強は全く縮みませんでした…
上の画像の通り、ガスの封入口はネジ止めタイプになっていたのでガス圧の計測はできなかったのですが、おそらくかなり高め(10Bar超)になっていたと思います。
ガスを抜いてシールケースを外したら中のオイルがシュワシュワになっていました。
過去にラルグス、ブリッツ、HKSと分解してきましたが、一番泡立っていました。
元々のオイルの消泡性も悪いのかもしれませんが、経年劣化とガスが高圧なせいで余計にオイルへのガスの溶け込みが激しかったのかもしれません。
ピストンはリニアピストンでした。
最近よくみる廉価車高調のリニアピストンよりも、バンプリバウンドの流路の大きさの差が大きいピストンでした。
シム組はこんな感じです。
とある人の話によると、このカートリッジは韓国製らしいのですが、最近よくみる台湾製の物に比べるとシムは普通に入っているといった印象です。
とはいえリニアピストンにピラミッド積みなので低速域の減衰力は察せそうですが…
シム一枚の厚みも0.3mm程度あり、どこぞの国産車高調に入っているシムよりはマシな厚さです。
この組みでどうしてあんなに硬いダンパーになるのか？という印象なのですが、やはりガス圧が高かったんでしょうね。
ガス圧はステアレスポンスやリバウンドの戻りの速さに関係しているらしいのですが、流石にこれは硬すぎという印象です。
昔の車高調はとにかくガッチガチ！という話を聞いたことがありますが、まさにこういう感じなのでしょう。
このカートリッジは実験用に譲り受けたので、このまま実験のための加工をします。
